オタク、病むな

2022年11月4日、待ちに待った「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTUMN 2022~」が開幕した。

MANKAI STAGE『A3!』とは

イケメン役者育成ゲーム『A3!』を原作とした2.5次元舞台化作品。通称エーステ。プレイヤーはMANKAIカンパニーという劇団の総監督として、「春組」、「夏組」、「秋組」、「冬組」の4つの組に属する劇団員達の指導にあたり、公演を成功させるべく奮闘する物語である。

 

エーステでは監督役のキャストはおらず、我々観客が「監督」という扱いで物語が進んでいく。公演のラストには曲中に「客降り」というキャストがステージから降りて客席通路を歩く演出がある。歩く通路は2パターンあり、どちらのパターンで来るかはランダムとなっている。

客降りでは運が良ければキャストからファンサを貰うことができ、特に通路席はレスを貰いやすく、キャストによっては紙吹雪を手渡ししてくれるなど、手厚いサービスがある。恐らく2階席3階席の監督にも楽しんでもらおうという運営からの粋な計らいであるが、これが後の地獄の始まりとなる。

レス乞食のプロ

そんな地獄の始まりの前に話しておきたいのが、通路席であろうがなかろうが関係なくファンサを浴びまくる『レス乞食のプロ』について。そう、

よしこ*1のことである。

同作品の春組公演である「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~SPRING 2022~」が今年の4〜5月に行われた際によしこに同行して貰ったが、普通に怖かった。

私とよしこの席は通路から2、3席目というレスが貰える可能性が高い配置だった。勿論ランダムのため私の春組の推しであるちぃくん*2が通るパターンであるとは限らなかったが、まあ、なんか普通に来た。この時点で「うわ…」って思った、正直。

しかし我々の席に近付いてきたタイミングで反対側の席を向いてしまい、そのままこちらに気付かず通り過ぎようとした……と思いきや、まるで殺気を感じ取ったかのようにこちらを振り返ってきた。なんでだよ。こっちを見てもいない人間を声も出さず振り向かせるとかさすがに人外の技すぎるだろ。怖

無事にレス貰えたのでよかったけど、もしかしてよしこちゃん、私が気付かなかっただけで私のために大暴れしてちぃくんの気を引いたり(※絶対にやっちゃダメです)してた…?🥺🥺🥺🥺🥺

 

 

 

は?

私がちぃくんにバキバキにメロってる間に隣でめちゃくちゃふざけてた。遊びじゃねんだぞ、客降りは。

 

話は今回の公演に戻るが、今回は秋組のメインストーリーを軸とした公演となっており、サポートメンバーとして夏組も登場している。ラストの曲では衣装チェンジがあるためサポートメンバーが前説をして着替えの時間を稼ぐのだが、このメンバーが誰かによってその回の客降りのパターンが判明するという仕様になっており、出てきた瞬間に会場の空気が少しヒリつく。

メインは舞台本編で、客降りはあくまでオマケ程度というのが本来のあるべき姿なのだが、特に他の舞台作品と比べてもこのエーステでの客降りは

異常な程オタクが病む。

嘘かと思うかもしれないが、推しから干されて泣き崩れたり、レス欲しさにパターンが判明した瞬間ダッシュで席移動するオタクもいる。いくらなんでも客降りにかける熱量アツすぎるだろ。

 

私の推しは秋組のリーダー・MANKAIカンパニーのギャル担当である摂津万里で、エーステの全組通して最も人気と言っても過言ではない程の高レートキャラ。クマリデパートで言うところの早桜ニコである。そんな推しからレスを貰うには、推しが通る通路席を当てたうえで推しが通るパターンを引き当て、尚且つ数多いる同担を蹴散らしてレスを勝ち取るしかないのである。

いや、無理では?

数多いる同担と言ったが本命じゃなくても他担もみんなレス貰いたがるからもっと競争率が上がる。だってさおてゃんだから。表向きは『今日も楽しかった🎶』とかツイートしてたけど正直内心鬼のように病んでいた。そもそも通路席当たらないし当たっても推し来ないパターンだし、、、そんなことが続いてストレスで胃腸炎になったり、色々と心身共に不調が続いた。ここまで病んだのはBANANAFISH*3の最終回を見た時以来だと思う。

狂ったように通った公演も終盤に差し掛かり、残り僅かな中で唯一出た3階の通路席がちょうど推しが通る通路であったが、ことごとくパターンを外していた前科もあり完全に期待をしていなかった。

前説のメンバーが誰なのかでパターンがわかると説明したが、実はステージから降りる時までわからない組合せもある。その場合、推しが上手*4から降りれば2階席、下手*5から降りれば3階席に行くパターンになる。

 

推し、下手から降りた

えっ……

この通路にやって来る…ってコト⁉️

正直この時点でもうかなりパニックになってた。来ると思ってなかったから。

 

〜推しとの邂逅〜

推しが来ることが判明して一安心…ということはなく、むしろここからが勝負である。この周りにいるオタク全員倒さないといけないので。

そしてカテコ*6曲が流れる中、遂に、

推し登場。

問題はここからで、反対側向かれたらおしまいなワケなんだけど、普通に反対側向かれた。

だよね〜〜〜〜〜知ってた!!

正直ここまで近くにいて干されることが一番精神にクる。すぐ目の前で他のオタクにファンサしてるのを見せられるところ想像してみてほしい、心折れるから。

こんな思いをするくらいならいっそのこと来て欲しくなかった……好きにさせないで欲しかった……等、自分が勝手に推しておきながらかなり面倒な女のようなことを思った。

『敗北』の二文字が頭を過ぎる中、なんと推しがこちらを振り返ってきた。

わあ〜〜〜〜顔、良!!!!!

そんなことを思っていると推しがこの一帯に紙吹雪を撒いてきた。自分が放り投げた紙吹雪を必死に取ろうとするオタク達、めちゃくちゃ滑稽に見えてるんだろうな。自分が投げる立場だったらめちゃくちゃ楽しいと思う。

紙吹雪とかいらんから頼むからレスをくれ頼む頼む頼む〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!!!

と心の中で叫びながらひたすら推しをガン見しながらハートをし続けた。もうとにかく圧をかけるしかない。レス乞食のプロから『圧こそ全て』と学んだ。よしこは「レス乞食顔なのかも」等と言っていたような気がする。いやどんな顔だよ。自分のことをよしこだと思い込んでひたすら圧を送った。嫌すぎる。

 

勝った

わあ〜〜〜〜顔、良!!!!!

生きててよかった〜〜〜〜〜

世界一かわいいルダハートだね♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

実際には片手が紙吹雪で塞がってたから完全に「あつこの『つ』のポーズ*7」だったけど。

すぐ目の前でかわいいギャルにルダハートされるところ想像してみてほしい、飛ぶから。

ちなみに推しは過去に配信で使ってる香水を公表したところ配信中にその香水が枯れ入手困難となったため今使っている香水の種類は絶対に教えてくれない。「近くに行ったときに匂い確認して」等言っていたが、いやこっちはレスを貰えるか貰えないかの瀬戸際なのにそんな呑気に香水の匂いかいでられるわけないだろ。遊びじゃねんだぞ、客降りは。

その後も他のキャストが来てくれたけど推しからのレスを上書きされたくなくてこちらが逆に干しました。まじでごめん。

その日の帰り道は健康すぎて道行く人に現金撒くファンサしながら帰ろうかと思った。

 

ひたすら客降りにめちゃくちゃにされた1ヶ月であったが、公演の内容自体はほんとに最高に楽しかった。1月からは冬組の公演が始まるので元気に健康に通いたい。

ただ会場が立川ステージガーデンなのは本当に許せないので今からでもどうにかなってほしい。

 

*1:元気な関西人。らむねとダイゴロウという二匹のかわいい猫を飼っている。

*2:卯木千景さんの愛称。この呼び方で呼んでる人は他に見たことがない。

*3:名作アニメ。この作品の舞台化では推しが主演に抜擢。心身共に健康な時に見てください。

*4:客席から見て右側のこと。

*5:客席から見て左側のこと。

*6:カーテンコールのこと。

*7:よしこの妹·あつこがINIの佐野雄大くんから貰った個レス。